#4 杉原敬さん(大工、木工房 瑞、南三陸町 )にお話を聞く

「日本の屋根って瓦だったら10tぐらい乗っかってくるじゃない。下にまるっきり壁がない構造で、揺れるけど倒れない。それは日本列島の中で特異的に生き残ってきた建築の流れであって、そのためにどういう山にどういう木を育てるかが必要になってくるわけじゃん?だから何をしたいのかってのが、まず最初にある」


現在は宮城県南三陸に拠点を置く杉原敬(マイケル)さんは、建築設計・施工の仕事の他、大学や中学校で出張授業を行い、木に触れながら伝統工法を学ぶ機会を作るなど、教育現場でも活躍されています。大工修行時代に培った加工の技術と知識を礎に、木材や土など、その土地の材料の特徴を生かした設計・施工を行うマイケルさんに、昨今の木造建築生産の現状と、木材を扱う上で感じたり、考えたりしていることや、最近の関心の一端をお聞きしました。

話し手:杉原敬さん(以下杉原) 聞き手:建築ダウナーズ(菊池、千葉、吉川)

◯戦前と戦後の工法の変化

杉原:やっぱり戦前、俺なんかも民家を直したいって頼まれるときに建物が建ったのはいつ頃ですかって言って、戦前のものだったら何とかまだ使えるから大丈夫、戦後のものはやめた方がいいという訳。直そうと思っても、お金かかるばっかりだし、それこそ建築基準法に合わせろとかってあるし、工法がガラッと変わったからその時点でまるっきり変わったんだよね。だから家が長持ちするような作りじゃなくなっちゃう。

菊池:なるほど。

杉原:要するにその時点でこういう建物(自宅を指して)になってきたわけよだんだん。

菊池:在来工法みたいな。

杉原:在来工法だし、何が違うかっていうと、ベニヤ板とかそういう面材。構造の面材が段々工業製品として、作られるようになってきたわけ。あと建物に筋交いっていうのを入れるようになった。それは関東大震災の後ぐらいから、みんな段々入れるようになったんだけど。でもこの辺の古い家なんてさ、戦後の建物だって筋交いなんか入れないって家もあるし、年寄りなんかそんな筋交いなんかいらねぇみたいな。何が違うかっていうと、これ建築に対しての考え方がまるっきり違ってて。筋交いってどこに入れるかっていうと壁がありますよと、そこに対して斜めに入れて面を固めるっていうことになるわけよ。ところが日本の昔の建築って、縦と横のものだけで構成されててそれがその「貫」って言うんだけど要はこういうことよ。これこれ(貫で作られた自作の棚)。だけど倒れないじゃん。これだってね、これも筋交い入れれば絶対動かない。こんなふうに動かない、ベニヤ板張ったりだったり斜めのもん入れたりすると。要するに壁で強度とりますよっていう発想なんだよね。壁で強度とるっていうのは、大陸の建築なんだよ。全部石で積んで絶対動かないじゃん。壁の強度とにかく作って上に屋根乗せてみたいなさ。だからツーバイフォーもベニヤ板で全部作んだけど、まず壁を全部パネル状に組んでく。あれもだから、おそらくアメリカとかああいうとこのやつなんだけど。面材作ってその後に屋根乗せよっていう工法をやっていくわけね。

菊池:壁がないと成立しない。

杉原:ヨーロッパの建築もそうじゃん。ノートルダムだって屋根抜けたけど、壁持ってるじゃん。ところが日本の例えばさ清水寺が焼けたらさ、もう下から全部燃えちゃう感じでさ(笑)。まあそれはいいんだけど、要は日本のこの貫工法っていうのはすごい特殊なの。世界的に見て特殊なんだけど、壁がなくても立ってられるわけ、重量物がこんなにいっぱい乗って。そっちもそうだけどさ、金がねえからこれでやってんだけどさ。重量物がこんなに乗って揺れるけど倒れないじゃん。実際日本の屋根って瓦だったら10tぐらい乗っかってくるじゃない。茅葺だってそれ以上乗っかってきたりするし。すごい重量物が乗っかってて下にまるっきり壁がない構造なんだけど倒れない、揺れるけど。だからその日本列島の中で特異的に生き残ってきた建築の流れであって、そのためにどういう山にどういう木を育ててやるかっていうところが必要になってくるわけじゃない。だから何をしたいのかってのがまず最初にある。

菊池:なるほど。

杉原:それがなくてさ、いきなり植林なんかしないから。じゃない?なんで日本列島の中で少なくとも数百年とかのサイクルでそういう構造材とかを必要としてきたのかっていう。それはやっぱり昔から自然災害が多いし、それによって家がバタバタ倒れてくることもあるし、あるいは木造且つ高温多湿で腐っちゃうみたいなことも、やっぱり他の地域と違うよね。他にも建て替えのサイクルが短いっていうこともある。んじゃそうすると山をどういうふうに育てましょうかっていうことをまず最初に考えなくちゃいけない。お寺を作るために伊勢神宮の遷宮のための山なのか、あるいは自分たちの暮らしを支えるためのこういう里山みたいなのかによって、その求めるものが違うから。その代わりやっぱり地震が来ればさ、こっちも揺れりゃそっちのでっかい建物もみんな揺れるんだから、壊れやすいものもあれば、壊れにくいものもあるしさ、いろいろあるじゃない。あるいはだんだん人口が増えてって都市っていうのができてきて、大火事で焼けてとかさ。そういうふうになると今度また工夫して土蔵作りにして、つまり土で囲っちゃえとかね。そうすると土蔵のための材料はどんなのがいいかなとかさ、やっぱりいろいろあるんだよね。だから植林ということを始めたっていうのもやっぱり自分たちがどういう暮らしを求めてるかっていうのがまずあって。だからこないだも大学で授業してきたんだけど、もの作りするのにね、最初に材料の話をするわけ。これが木で、どういう木ですかとかさ、どんな加工するんだとか言って。だけど、デザイナーがまず居て、自分がデザイナーでもいいんだけど、じゃあ物を作りますよって言ったら何が一番最初に大事かっていうと、基準。もうちょっと言うと言葉なんだけど、その基準が大事だっていうことなんだよね。だから差し金っていう直角の物差しを出してきてやるんだけど、mmのものと尺寸のものと両方あるわけよ。どっちの基準で作るか決めないことにはさ、作れないじゃん。尺ってのが理解できる人じゃないと一尺五寸でって言われてもさmmしかわかんない人は一尺五寸どのぐらいすかねって話になるわけよ。つまりこれってその日本語の文化圏の中でずっと残ってるその身体尺っていうのがあって、身体尺っていうのはやっぱり身体が基準になってるわけ。身体の使いやすさとか何かの長さとかさえ。
 例えば3尺6尺って言ったら大体入り口の寸法で大体みんな人が通るのにいいよねみたいなさ、人間は背の高い人も低い人もいるけど、3センチの人間とかさ、30mの人間はいないわけよ。大体収まってるわけじゃない。なわけよ。だからやっぱ人間の身体尺って世界中にあるんだけど、まずそれは自分たちの身体の中に基準があるわけ。そういうことなんだよ。なんで建物垂直に立てるんですかとか。その直角の差し金を作ったんですとかね。垂直っていうことだって、みんなこうさみんな手挙げてくださいって言うと、みんな手上に上げるわけよ。上に挙げるじゃん。上こっちじゃん。下こっちじゃん。それは自分の中にセンサーがあるから上と下がわかるわけじゃん。必ず基準というのは自分の中にあってこの言葉も、その基準なわけ。みんな共有してる基準であって、それを共有しながら何か物を作るってことになるから、だからやっぱりその木材っていうのを一つとっても、自分たちの中の基準。モヤモヤしたいろんなさ、こういうのがほしい、こういう社会が欲しいとか、こういう暮らしがほしいとか、これやったら便利になるとかさそういうモヤモヤとした基準を何も言葉に出して、一つ絵に書いてみたり、何か実行に移そうという計画書にしてみたりとかして、こういう形にしてってそれで初めて何をやろうか木を植えるのか、石でつくるのかどこで作るのか、何でもいいわけじゃない。生き残れれば。日本では泥の建築とかレンガの建築とか石の建築は、建物の構造体としては残れなかったからない。ということが言えるわけ。だからその基準のためにはもう一つはその自然の力っていうのがもう遥かに巨大な力があるから、だからその中で生き残ることができるかどうかっていうのは必ず問われるわけだよね。その瞬間瞬間机だって別にこんなデカくなくたっていいんだけど、この暮らしのためにちょっとねうちの奥さんの誕生日プレゼントだからとかさ。

一同:(笑)

菊池:確かになんかここの厚み一つとっても家での安心感とか、帰ってきたときに何か暮らしを支えてくれてるような気持ちになるとか全然違いますよね。


杉原:だから最近僕言ってるのはやっぱり物を作る人ってのは必ず自分の内面とか、その哲学とか思想とかそういったものをやっぱり表現しないと、やる意味無いんじゃないかっていう。建築一つとってもね。


◯工業製品化する住宅

杉原:だから結局その近代になってさっき言った合板、ベニヤ板とかの技術ができて、この中は全部石膏ボードってボードが張ってあるじゃ無い。そういうボード類を作るようになって、丸太の製材技術も、それまでは木挽さんがこうやってこうやって挽いてたとかさ。昔の手斧っていう斧でハツってたりとかしてたのが約90年ぐらい前まで。やっぱ戦後になってその蒸気機関とかそういう動力的なものが使われるようになって、民間に浸透して、一番大きなのは丸太の製材はバンドソーっていう帯鋸ね。丸鋸製材の後に帯鋸ってのが始まって、それからもう大径木もバンバン割れるようになったんだから。それこそ北米からタンカーとか船でさ、運んできてこんなでっかい原生林の木をさ、帯鋸でバーっと挽いて小割にして使ってったわけよ。
 俺が本当に始めた頃は、米松ってものすごい質の良いものがまだまだ入ってきてて、それがピーラーって言って本当にさっきの杉よりももっと目の詰んだやつ。ピーラーって言って。

千葉:ピーラー?

杉原:うん。それ使ってて今もあるんだけど、すごい値段高くなってる。そういうふうに元々原生林というか、人が植えたんじゃない森に生えてたものをバンバン切って運んでくるっていうふうになったんだよね。要はほら世界がグローバル化してったっていうことじゃない、流通のあれができてさ。船だの鉄道だの。あと重機で運んだり、チェーンソーで切ったりとかっていうことが簡単にできるようになって、全部ガソリンで動かせるようになって。とにかくガソリンスタンドあればみんな動くんだからみたいなさ。
 そういうふうになって製材の技術も上がって、工業製品的な規格というものがどんどんどんどん標準化されて、ましてや戦後もどんどん日本の人口が増えたから、戦時中の日本の人口で7000万人ぐらいしかいないのにさ、その後うちの親父ぐらいのときに1億3000万ぐらいまで増えたわけね。だから1.何倍とかに増えたわけだよ。そのときに、核家族になってって住宅需要は増えてとにかく山削っちゃあ住宅地みたいな場所いっぱい作ってさ。っていうノリがいまだにまだ続いてるけど、やめようぜっていい加減。だって余ってんのにさ家。
 数千万棟とか余ってるんだろ。みんなそれこそベニヤとかさ、合板で作ってさ、石膏ボードとかゴミにしかなんねぇじゃん。さっき言った通り、戦後の建物ってこれどこにも木見えないじゃない。全部塞いじゃってるわけよ。唯一ここだけ見えてるけど、だけどこの床下で何が起こってるかっていうと、やっぱりその日本の湿度とか環境の中では床下にあるものは通気してないから、みんな腐っちゃう。今高気密高断熱とかって言って、なるべく床下の通気もとらないようにするけど、結局はどっかにその熱のブリッジができてって、そこに負担がいって腐ってくっていうことが起こるわけ。やっぱり木材一番長く持たせようと思ったら乾燥させることなんだよね。カラカラの状態にしてればこんなのだってさ、乾いたら100年持つと思う。これ床下に置いてみ、来週にはカビが生えてっからさ。そういうことになるわけね。

 だから、うちらは昔からの建物ってやっぱ適材適所ってのがあって、床、地面に横になってる状態、それはもう山で木が倒れたのと同じことなんだから早く土になる使命があるはずなんだけど、それを人間が何とか持たせようと腐らないようにしようとしてるから無理が生まれるのであって。ここには腐りにくい木を使うとか。やっぱ栗の木とかヒノキの赤身の部分とか、杉の赤身とか。この辺だと、カラマツ、カラマツを土台にこの辺だと使うんですよね。そういう水に強い木を床下に使う。柱には、あの素性のいい加工しやすい木とか、割と軽くて、しなやかな木とか。見栄えがいいとかそういうのを使っていたりする。ほんで今度上の方には、上からも屋根の荷重に耐えられるような松とかをね、昔は梁に使って、大体もう日本中民家の梁って言ったらもう松が定番なのね。松の曲がったところを上手に組んでやるわけ。でやっぱあれは油気もあって粘り強くて、強度があるからいいんだけど、松を床下に持ってったらすぐ腐っちゃう。そういうのが当たり前だった僕たちにしてみれば。当たり前だったことは、ずっとやっぱり何百年も続けてやってきて、それはその地域地域にある栗がとれるところは栗だし、ナラがとれるんだったらナラを床下に使うとかさ、やっぱ栗とかナラは強いからさタンニンとか含まれてるからさ。ヒノキとかヒバとかを使うところもあるけど、そういうふうに、その地域地域によって適してるもの、場所に応じて使ってるっていうのがあって。やっぱりそれも修行しながら、昔のものを見たりして勉強してくんだけど。ここの床下に何使ってるかっていうと、スケヤー土台って言って防腐剤を注入してるんですよ。たまに見るかな、角材なんだけどボツボツって付いてて、なんか色が緑色だったりする。

千葉:ああ見たことあります。

杉原:スケヤーって書いたのがあって重かったりとか、あれ全部防腐剤、猛毒の防腐剤をしみこませてあるわけ。圧力でギュッと注入させて。ところがじゃあその木は何の木なのかっていったらモミの木なんだよ。カナダツガとかさ。前にラジオでよく宣伝してたんだよカナダツガとか言って。でモミとかツガってのはさっきの松とかの仲間。一番腐りやすい材。だから防腐剤切れたらすぐ腐るじゃんっていう話でさ。でも安いとか、カナダツガってこんなでっかい木を割って作るんだから安いとか、硬さはあるんだけどとかさ。あるいはその防腐剤が切れたら家が腐ってくれないと、次の仕事にならないからとか。もうそういうレベルで本当に。だから最初ね、カナダツガを床下に使ってるって聞いてびっくりしたもんね、嘘でしょみたいな。実際俺、古い民家でも梁に使ってたのがあって、それはやっぱり腐ってたのよ。そういうの見てるから絶対腐るのわかってんだよ。なんでっていう感じなんだよね。まあ要は近年の資本主義社会の経済的な合理性をとにかく追求してってるっていう感じで企業はね、当然そうだよね。うちらはその経済的な合理性が今の経済的な合理性と合うのかどうかっていったら、合わない部分もかなりあるのかも知れないけど。でもその評価軸をどこに持ってくるかによってそれは変わってくるよね。だから、例えば最近よく言われるサステナブルっていうような持続可能性みたいな部分でじゃあ山とどう繋がって、それは地域経済をどうまわすのかみたいな。

 だから今回秋保で建てる物件の材木って、こういう一般の住宅の面積あたりの材木よりもおそらく3倍以上は使うのね。大体こういう木拾いやってくとさ、これ何坪の建物です10坪の建物です。何立米の木材使います。で、何立米を10坪で割るわけよ。そうすると一坪当たり何立米ぐらいの材木を使うかって出るじゃん。大体こういう家は0.5立米ぐらいなんだよ、0.8とか。そのぐらいがこの在来工法と言われてるのは標準で、こういう角材とか木材じゃなければ、ベニヤとかで使ってるのもいいかもしれないけど、それでもたかが知れてるわけよ。俺の場合今回一坪あたり2立米使うわけよ。だから2倍から3倍使うわけ。それを材木屋さんにこの木拾いをまず出してって図面見せて、材木屋さんこういうのを作るんだけどって。じゃあわかった. ここの山でこの人が木伐ってるから、そこで何メーター材の何本を出してくれるから、そこに何本注文してこっちに何本注文してって。間に材木屋さんが入ってる。僕も地元じゃないしっていうのもあんだけど、材木屋さんはその山の人と繋がってるから。だけど、今回のやつなんかもそうで前のもそうなんだけど、市場が介入してないんですよ。普通なら山から切ったのをさっきみたく何とか市場にまず持ってくわけ。仙台なら仙台市場とか埼玉にもそういう市場あって全国から集まったりとかっていう。木材の市場がある。そこで競りにかけてこの山はいくらこっちの山なんぼつって業者が買いとってく。その買いとってくのブローカーだから。要するに中間業者。

吉川:それをさらに都会とかに売ってとかっていうことですか。

杉原:そうそう。ブローカーが要は買ってって、製材所に流して製材した製品を千葉のどっかで販売するとか、だから製品しか持ってない木材屋さんっていうか建材屋さんもあるし。製材所持ってるところもあるけど、その辺はいろんな形態がある。

吉川:普通は競りにかけて、立米当たりの金額が決まるけどそのマイケルさんが今度やられる物件とかだと、その競りがない分安くなるってことですか?

杉原:そうそう、中間業者がない分安くなるし、その適正価格が直接例えばショウくんとか林業家の方に払われるから、向こうとしては市場に出しちゃうよりも高く買ってもらえるっていうメリットになってくるわけじゃん。だって中間で抜かれる分がさ、ないんだからそれは大きいよ。流通にしたってだってそっからここに来るだけ。

吉川:じゃあWin-Winというか。

菊池:それは秋保の木ですか?南三陸の木ですか?

杉原:南三陸の木。だから結局さっきの話の通りどうしてその山に木材となる木を植えたのかっていうと、こういう家を建てたいからみたいなのがあって、こういう家っていうのは日本の伝統的な作り方だったりすると、今回南三陸の材木屋さんもそういうのがよくわかってる人なんだよね。割とそういうの好きでさ。わかってる人で、そうすると話が早いわけだよ。梁のこういうの使うんだけどって言ったら「梁だったら、ここの山から今度これ伐ってもらえれば、今度の時期はいいの出るはずだから」っていうのがわかってるから。

吉川:そのときのその立米当たりの価格を決めるのは材木屋さんが決めるということですか?

杉原:そうそう、材木屋さんとそのきこりさんの間の話し合いで決める。

吉川:そこの金額に対してマイケルさんは何かを言ったりしないんですか?

杉原:どっちでもいいよって言われたの。「山から直接買ってもらってもいいし、それを賃引きっていう形で製材をうちがやってもいいですよ」と。普段は材木屋さんが山からいろんな物件のためにドバーッと買ってその中の、これをじゃあこっちに回してこっちに回してみたいな。だから俺は今回は山から直接じゃなくて材木屋さんに任せた。わかってるし。だからそっちのあれでいいよってやってもらったわけ。

吉川:じゃあ丸太を買うパターンと、その製材所から製材された材を買うパターンと両方。

杉原:両方できるんだよね。

菊池:マイケルさんはどっちが多いんですか。

杉原:今までも結局埼玉でずっとやってきたし、やっぱり材木屋さんにおまかせの方が多かったね。どうしたって市場で買ってきたりする材木屋さんもさ、市場に行って買ってくるじゃない。自分とこの材木売ってみたりさ。だからそこには許可がね、資格がないとこれつけて登録されてやらないとダメで。要するに勝手に市場操作されちゃ困るわけだからさ。ちゃんとそれは組合から許可のある人じゃないと入れない。

菊池:そういうふうに買ってきて、木材屋さんで加工したものを買う。

杉原:そうそうそう。

菊池:じゃあ今回の秋保の適材適所っていうかこういうのを建てたいからあの木がいいね、みたいな話し合いやコミュニケーションっていうのは、結構レアなケースなんですか。

杉原:稀なケースだね。

菊池:でもすごいいいですね。

(2022年、南三陸町、杉原さんのご自宅にて行ったインタビューから抜粋したものです)